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事業再構築補助金の取り組みは慎重に

補助金
2021.04.16

3月17日、事業再構築補助金における申請要件の一つである「事業再構築指針」が中小企業庁から発表されました。(3月29日改訂)読み解くのが非常に難解なほど複雑な要件であり、クリアするのがかなり難しそうな上、解釈に悩むほど曖昧な表現の多い内容で、相当ハードルは高いと解釈しております。

まずは事業再構築指針の位置づけから解説いたします。

『本資料に掲載している事業再構築の要件は、申請に当たっての最低条件です。採択されるためには、これらを踏まえた上で、合理的で説得力のある事業計画を策定することが必要です。』(「事業再構築指針の手引き」(P32)より。)指針の条件を満たしただけでは採択がされません。適格条件も全て満たしながら、審査項目も数多く満たしたものが採択されるという位置づけになります。

全体像を解説します。まず、事業再構築補助金通常枠・特別枠に適用される再構築指針には大きく分けて5つの類型があります。

新分野展開事業転換業種転換業態転換 の4つを簡単に解説します。

新分野展開は、主たる業種・事業が現在と変わらないというのが前提です。

事業転換は、主たる事業が変わる取組みです。

業種転換は主たる業種が変わる場合の類型です。

新分野展開、事業転換、業種転換に関しては、共通する必須要件が2点あります。

  • 新製品・新サービスを投入する必要がある
  • 新市場に進出する必要がある

という点の2点です。これについては更に細かい要件が4つあります。また、新市場に関しては、既存事業と需要の食い合いにならない市場の選択が必要だということです。

業態転換は新製品・新サービスを投入せずに済みます。ただし非製造業がサービス提供方法を変更する場合のみです。製造業は、新製品の製造・提供する取組みが必須です。一方、非製造業がサービス提供方法を変更する際は、新サービスの提供はしなくてもよいです。しかしその代わり、設備撤去・店舗縮小が伴う取組みでなければ要件を満たしません。

最後に、売上に関する要件です。補助事業終了後(3~5年後)、新製品の売上高が、総売上高の10%以上を占めるような計画である、または新製品の属する事業・業種がその企業において売上構成比で最大になる計画でなければなりません。勿論その数字に根拠があり、審査員が「なるほど、たしかにこれだけの売上に成長しそうだな」と納得できるようなものでなければ、審査で評価されないです。

事業再構築指針の要件を満たすかだけではなく、経営上のリスクにも充分に配慮しなければなりません。解説以外にも指針には数々の細かい要件が定義されていて、これらを全て満たさなければ申請さえできず、かなり厳しい要件になっています。第一印象としては、この指針を満たす取組みを検討している企業は相当少ないのではないかと思います。

本補助金申請で特にご注意いただきたいのは、補助金が欲しさに指針を満たすために自社が考えている取組みをむやみに拡大しないで欲しいのです。指針が求めている内容は、企業が一般的に行う新規事業の中でも、最もリスクの高い取組みだからです。

新分野展開、事業転換、業種転換の3つの類型では、新製品を新市場へ投入することを求めています。これはアンゾフの成長マトリクスの経営戦略のフレームワークでいうところの「多角化」に該当します。多角化は、自社でもやったことのない新しい製品を、自社でも開拓したことのない新しい市場に対して打ち出すというもので、リスクが高いと一般的には言われています。

つまり、一般的な経営理論にしたがっていうと、事業再構築指針が求めていることは企業が成長を果たす戦略オプションの中で最もリスクが高く、失敗の可能性も高いということです。無理に指針にあわせてリスクの高い取組みに着手をしてしまい、従業員も疲弊してしまい、多額の借入金だけが残ったという最悪のケースも起こりうる話です。こうした経営上のリスクも充分に配慮した上で、事業再構築補助金に申請すべきかどうかを判断してください。

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